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宣伝更新! ダウンロード同人作品「TS(性転換)すると、レイプされるフラグが立ちますので、御注意下さい!」販売開始しました!

予告にも使った画像tsf
 昨年末、「佐野俊英があなたの専用原画マンになります」という、画像作成ツールだかエロゲなんだか分類が微妙なソフトを買いました。ノベルゲーを作りたくなったので、画像作成ツールというか素材として。
 ですが、この通称佐野ツール、男の素材が殆ど入っておらず、女の素材もエロがあるキャラには立ち絵が無く、立ち絵があるキャラにはエロ絵が少なく、何故か野菜や触手ばかりが充実しているという、恐ろしく素材バランスの悪いツールだというのが購入後に発覚。結局ノベルゲー製作は断念しました。

 それで代わりに作ったのが、短編ノベル集の「TS(性転換)すると、レイプされるフラグが立ちますので、御注意下さい!」です。内容はこのリンク先のページをご覧下さい(リンク先、DLsite内の該当作ページ)。

 ちなみに、サンプル画像(クリックで拡大)。
痴漢シーンサンプル
サンプル3と同じ画像

 ここの連載の挿絵用にも使えたら……なんて思ったんですが、佐野ツールじゃ無理でした。カスタム少女なら、もっと色々と出来たんですかねー。
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《宣伝》少年少女ミケ(少女の銀輪)9

 結局、何とかカンナの誘いを振り切って、魅恵は満員の坂崎線に乗った。女性専用車両なので、車内は全て女性である。バイト初日の帰りからは、魅恵は痴漢を避ける為、女性専用車両を使っていた。
 汗に化粧品、香水などの臭いが混ざり合っているので、車内の臭いは、普通車両よりもきついのだが、臭いには数分で慣れるので、問題は無い。魅恵は降車駅である破魔崎駅まで開かないドアに寄り掛かり、窓の外を眺めて、時間を潰していた。
「暑い……」
 満員に近い車内は、汗ばむ程に暑かった。今日は初夏の様な陽気だと、今朝の天気予報で言っていたので、魅恵は黒のキャミソールに、ジーンズを足の付け根でカットオフした、デニムのショートパンツという、真夏の様な格好だったのだ。
 男物の夏物は、まだ押し入れの中だったのだが、晶に貰った女物の服の中に、涼しそうな夏服があったので、魅恵は初めて女物の服を着て、バイトに行ったのである。キャミソール姿では、普段のスポーツタイプのブラだと露出してしまうので、肩を出す服を着る場合用にと晶がくれた、チューブタイプのブラを、魅恵は着けていた。
「クーラーつけて欲しいな……」
「確かに、ちょっと暑すぎるわね……」
 魅恵の呟きに、魅恵の前にいる乗客が、同調した。前といっても、魅恵は左側……窓の外を眺めていたので、どんな客だかは、知らなかったのだが。
 魅恵は自分の独り言に、誰かが同調した事にも驚いたが、声を発した乗客の姿を見て、更に驚いた。晶より背が高い、百八十センチを越えていそうな長身の上、日本人では無かったのだ。いわゆるアングロサクソン系の外見の、女性だったのである。
「君なんか、まだ楽な方よ。薄着の上、肌だって出してるんだし」
 女はスーツ姿だった。しかも、ダークな色調の。
「スーツは暑いでしょうね。黒だったら、尚更……」
「暑いよ、胸元とか開ければ、少しは涼しくなるかもしれないんだけど、開けてもいい?」
「――どうぞ、御自由に」
「ありがとう。女性専用車両だと、多少はだらしない格好しても平気だから、楽よね……」
 そう言うと、女はブラウスのボタンを、外し始めた。周りに女しかいない気楽さからだろう、女は大胆にブラウスの前を開く。
 黒のシンプルなブラに包まれた、胸の谷間が顔を出す。カンナ程では無いが、かなり大きい。
「これで結構、楽になるわ」
 自分にも付いているし、晶とカンナにも、頻繁に見せられているので、少しは見慣れたとはいえ、やはり間近に胸の谷間を目にするのは、魅恵には少し恥ずかしい。魅恵は、少し顔を赤らめながら、女の谷間から目を逸らし、話題を変えた。
「――日本語、上手いですね」
「上手いというより……日本語しか喋れないの、あたし」
「日本語しか?」
「親はイギリス人なんだけど、日本に定住してるんで、子供のあたしも日本語で育てられたから、英語は苦手なの」
「見た目からは、想像出来ないな……」
「皆、そう言うよ」
 微笑む女の派手な顔立ちを見て、魅恵は誰かに似ているなと思う。誰に似ているのだろうと、少しの間考え続けた魅恵は、化粧品のCMに出てる外人のモデルに似ているのだと、気付く。
 電車が、駅に停車する為に減速する。慣性のせいで、魅恵は進行方向にいた女の方に、倒れ込み、女に抱きとめられる。
 女よりも、十五センチ程背が低い魅恵は、女の胸元に、顔を乗せるような体勢になってしまう。
「あ、すいません」
「気にしないで……」
 顔を赤らめ、魅恵は女から身体を離そうとするが、女は魅恵を抱きとめたまま、魅恵を離そうとしなかった。そのまま、停車した電車の中に、乗客が乗って来て、満員に近かった車内は満員となり、魅恵は女と身体を密着させ、胸元に顔を乗せたまま、身動きがとれなくなる。
(ん?)
 突如、魅恵は左胸を軽く揉まれた。車内は混んでいる為、最初は誰に揉まれたのか分からなかったのだが、程無く、魅恵は自分の胸を誰が揉んだのか、気付く。
 揉んだのは、目の前の女の右手だった。女は左腕で魅恵を抱き締めながら、右手で胸や……魅恵の身体を、触り始めたのだ。
「あの……何するんですかっ?」
 顔を赤面させながらも、女を睨んで抗議する魅恵の耳に、女は顔を寄せ、囁いた。
「君、女の方が好きなんでしょう?」
「え?」
「あたしの胸見て、顔を赤くしてたじゃない。あの反応見れば、分かるよ」
 女が胸元を開いて見せたのは、魅恵の反応を見て、魅恵が女を性的な対象としているかどうかを、確認する為だったのだ。
「あたしも同類よ、安心して……」
 無論、見知らぬ他人に、身体を触られて、安心など出来る訳が無かった。
「痴漢……じゃなくって痴女されて、安心出来る訳、無いじゃないで……ん……」
 女は、魅恵の頭を抱え込んで、顔を自分の胸に押さえ付けて、魅恵の抗議の言葉を、遮る。そのまま身体を捻って、魅恵をドアに押し付ける。女の方が、かなり身体が大きいので、魅恵の姿は、殆ど誰にも見えなくなってしまった。
 魅恵の身体の自由を奪い、身体を周りから見えない様にした女は、大胆に魅恵に痴漢行為を働き始める。手始めに、魅恵のキャミソールの中に手を侵入させ、ブラのホックを外して、魅恵のブラを抜き取り、ジャケットのポケットに仕舞う。
 キャミソールの中に両手を入れ、魅恵の双乳を、握り込む様に揉み始める。微妙な強弱を付け、指先で乳首をこね回す。
 多少、強引な愛撫ではあるが、相手が美形の女性のせいか、不快感よりも快感が勝ち、すぐに魅恵は乳首を起たせてしまう。
(俺、胸が感じやすいのかなぁ?)
 女とはいえ、見知らぬ他人に胸を愛撫され、しっかりと感じ始めている自分に、魅恵は当惑する。
(晶が毎日、俺を抱くから、感じやすくなってきてるのかも)
 付き合い始めてから毎日、晶は魅恵の家を訪れて、当たり前の様に、魅恵を抱いている。未開拓であった女性としての魅恵の身体を、かなり晶は開発してしまっているのだ。
 一昨日から晶が合宿に行ってしまったので、この二日間、セックスとは無縁だった魅恵の身体は、愛撫に少し餓えていた様で、女の愛撫に好意的に反応してしまっている。胸を愛撫されただけで、股間が少し、体液を分泌してしまった程に。
 女は右手を下に下ろし、ショートパンツのボタンに手をかけ、外した。そのまま、ファスナーを下ろして、中に右手を潜り込ませる。ゆっくりと周りを責めてからなどという、悠長な真似をせず、女は直に谷間に指を這わせ、クリトリスを探し当てる。
 一番敏感な部分を指で摘まれた魅恵が、漏らした吐息を耳にして、女は感じているのを察したのだろう。指を震わせ、女は魅恵に刺激を加え続ける。
 女の指を外そうと、魅恵は腰を動かすが、女の指は外れない。それどころか、ショートパンツがずり落ちそうになったので、両手で押さえなければならなくなり、両手の自由が無くなってしまう。
 突如、女はクリトリスから指を離し、少し下にある膣口の上を、撫で始める。
「もう濡れてるけど……向き合ったままだと、入れ難いね」
 女は左手をキャミソールの中から引き抜いて、魅恵の身体を、時計とは逆向きに半回転させ、ドアに押し付けた。背後から魅恵を責められる体勢を、女はとったのだ。
 両手でショートパンツを押さえている上に、女に下着の中に右手を入れられたままだったので、魅恵は動き辛い状態だった。その為、殆ど抵抗出来ずに、魅恵は女の為すがままになる。
 バイト初日に、二人組の痴漢に襲われた時と、状況は似ている。しかし、女の方が手際が良く、手口が大胆だった。
 まだ襲われ始めてから、五分も経っていないのに、既に魅恵は、谷間を直に弄られてしまっている。
「まだ破魔崎駅まで、五分近くあるから、十分に楽しめるね……。君、破魔崎で降りるんでしょう?」
 女に耳元で囁かれた魅恵は、自分が降りる駅を、女が知っていた事に驚き、焦る。
「あたしも、破魔崎で降りるんだ」
「何で、俺の降りる駅を?」
「何日か前から、君には目を付けてたの。美味しそうな子がいるなってね。あたしと同類だとは、思わなかったけど……」
 同類とは、同じ性的趣向の持ち主だという意味である。
「俺、レズじゃなくって、男なんです!」
「――面白い冗談だけど、男の人のここには、指が入ったりしないんじゃないのかな?」
 女は魅恵の膣口の中に、人差し指と中指を沈め始めた。きつい膣口は、指を押し止めようと抵抗するが、女は構わず指の第二関節辺りまで、魅恵の中に突き立てた。
「うぁ……」
 魅恵は堪らず、情けない声を漏らしてしまう。女は楽しそうに、指を前後に動かし始めた。
「きついけど……もう経験済みみたいね。初めてかもって思ってたから、ちょっと残念」
 指を前後に動かしながら、女は囁いた。晶よりも、少し乱暴な愛撫だが、女は的確に魅恵の弱い部分を責めてくる。
(どうしよう? 変な気分に、なっちゃう……)
 魅恵は、見知らぬ他人……しかも痴女に、胸や股間を弄ばれ、性的に昂ってしまっている自分に、戸惑っていた。見知らぬ他人に、性的な行為をされる事への嫌悪感や不安感と、性的な快感への期待感が、拮抗しているのだ。
(このまま抵抗しなければ、いかせて貰えるのかも……。家に帰っても、晶はいないから、して貰えないし……。晶は、浮気とか気にしないんだよな……)
 様々な考えが、浮かんでは消えて行く。理性的な思考を、性的な快感への欲望と渇望が、突き崩そうとする。
 そんな風に、魅恵の拒否の姿勢が弛んだ事を、感じ取ったのだろう。女は、意外な行動に出た。
 突如、女は痴女行為を止めたのだ。下着の中から手を抜いた女は、魅恵のショートパンツのファスナーを上げ、丁寧にボタンまで止めてしまう。
「――?」
 いきなり痴女行為が止んだ事に、魅恵は戸惑う。だが、魅恵は女の意図を、すぐに理解する。
(あの時と同じだ……)
 魅恵は、晶との最初の性行為を思い出した。半ば無理矢理愛撫し始め、性的に昂らせた所で愛撫を止めて、魅恵に性行為の合意を取り付けようとした晶の事を、魅恵は思い浮かべたのである。
 女も晶と同じ事を、しようとしているに違い無いと、魅恵は勘付いたのだ。無論、晶ならともかく、見知らぬ他人……しかも、痴女行為を働く様な女とセックスをする気は、魅恵には無かった。
 魅恵は、後ろを振り返る。自分に靡いて来ると確信しているのだろう、自信有り気な笑みを浮かべている女の顔が、魅恵の目に映る。
「続き、して欲しい?」
「――パス! ブラ、返せ!」
 女のジャケットのポケットに、魅恵は手を突っ込んで、自分のブラを取り戻した。そのまま、ブラを自分のポケットに突っ込んだ後、魅恵は女を無視する様に、窓の外の景色を眺め始める。
 誘いを拒絶された上に、魅恵が自分を無視し始めた事は、女のプライドを、酷く傷つけた。女は苛々した様に、魅恵を睨み付ける。
 苛立つ女を無視して、魅恵は平然と外を眺め続けた。程なく、電車は破魔崎駅に到着したので、魅恵は素早く電車を降り、女の方を振り返りもせず、逃げる様にホームを走り去って行った。

「女性専用車両にまで、痴漢……じゃなくって痴女がいるとは思わなかったよ。油断出来ないな……全く」
 破魔崎駅から出た魅恵は、呆れた様に呟いた。
「ま、気にしてても仕方無いか。さっさと、夕食の買い物済ませて、帰ろうっと」
 駅近くのスーパーに向かって、魅恵は歩き出す。途中、通り過ぎるサラリーマンや学生の目線が、自分の胸に集まるのを感じて、魅恵は自分が、ノーブラである事を思い出す。
「ショートパンツに黒のキャミソールで、おまけにノーブラか……。殆ど露出狂だな、俺」
 魅恵は、スーパーの女子トイレで、ブラを着ける事にした。

 スーパーのトイレは、階段を上がった踊り場にあった。魅恵は、少し緊張しながら、女子トイレの中に入る。女の身体になってからは、外出中、基本的に女子トイレを使い続けているのだが、未だに女子トイレを使う事に慣れず、少し緊張してしまうのだ。
 有り難い事に、トイレは無人だった。魅恵は洗面台の鏡の前で、キャミソールを捲り上げ、ブラを着け始める。
 ホックが後ろにあるタイプなので、魅恵は少し手間取る。普段は着るだけでいいスポーツタイプのブラなので、背中のホックで留めるタイプのブラに、魅恵は慣れていないのだ。
 不慣れなブラの装着に戸惑っている魅恵の目が、鏡に映った女の姿を捉えた。女は、魅恵には見覚えのある顔だった。
 先程、電車の中で、魅恵に痴女行為を働いた、女だったのだ。女は魅恵の後を、つけていたのである。
 ブラを装着する為、後ろに回っている魅恵の両腕を、女は掴んだ。魅恵はもがくが、身動きが取れない。
「何すんだよ、この変質者!」
「――全く、人の誘いを断るわ、変質者呼ばわりするわ、顔とは違って、可愛気が無い子ね……」
 女は強い力で、魅恵を個室の中に、引きずり込む。
「誰か! 人を呼ん……痛っ!」
「騒ぐと、折るよ。あたし柔術習ってるから、君の腕を折る事位、簡単なのよね」
 魅恵は女に、腕を捻り上げられる。激しい痛みで、魅恵は声を出す気力を、失ってしまう。
 その隙に、女は自分のベルトを引き抜いて、魅恵を後ろ手に縛り上げる。
「念の為、口も塞いでおこうかしら」
 着ける途中だった魅恵のブラを手に取り、女は魅恵の口に噛ませる。女はブラを、猿ぐつわの代わりにしたのだ。
 あっという間に、魅恵は身体の自由を奪われ、声も出せなくなる。
「さーて、君みたいな生意気な子には、どんなお仕置きをしようかな……」
 勝ち誇った様な目で、女は魅恵を見る。女の目線が、魅恵の胸で止まる。キャミソールが捲り上がっているので、形が良く、程良い大きさの魅恵の乳房は、ほぼ露出していた。
「取り敢えず、胸からね」
 女は魅恵の両胸に掌を被せ、揉み始めた。パンの生地を捏ね回すパン職人の様に、荒っぽく大胆に。


        (体験版は、ここまで。以降、同人版に続く)


          ☆          ☆


 「少年少女ミケ」、DLsiteで発売中!

《宣伝》少年少女ミケ(少女の銀輪)8

「バイト、どうだった?」
 魅恵が家に帰るなり、コロッケとポテトサラダを手土産に、家を訪れた晶が、聞いた。
「疲れた、結構ハードだよ。あの店、かなり流行ってるんだね」
 晶は、ダイニングキッチンのテーブルに並べた皿の上に、持って来たコロッケとサラダを、並べ始める。
「カンナの母さん、料理上手いからね」
「晶と違ってね」
「――あたしだって、練習すれば、出来るってば!」
 インスタントのカレーが、まともに作れない程に、晶は料理下手なのだ。今日も、魅恵の為に夕食を用意して、土産として持って来てくれたのだが、全て、スーパーの惣菜売り場で買って来たものである。
「そういえば、カンナとBまでしたんだって?」
「え?」
 魅恵は驚きの声を上げ、目線を不自然に泳がせる。
「さっき、カンナに電話で聞いたんだ。バイト前にミケちゃんの事、ちょっと試してみたら、上手かったから、今度貸してって言ってたよ」
「あの、それは……」
「――女だと思ってHした相手が、後で男だって知ったら、カンナ、傷付いちゃうかもな……」
 女だと思ってHした相手が、後で男だと知ったら、傷付くかも知れないと思い、カンナとはHはしないと言った自分が、軽くではあっても、カンナとしてしまった事を指摘され、魅恵は返す言葉が無かった。
「誘ったのはカンナなんだろうけど、何で断らなかったの?」
「それは……その……カンナさんの胸見たら……抑えがきかなくなって……」
「確かに……友達だとは分かっていながら、カンナの胸は、あたしもたまーに抑えが効かなくなって、触っちゃう事はあるからね」
 晶は、納得したように頷いた。
「これからは、気を付ける!」
 カンナの誘惑に負けない事を、魅恵は改めて決意した。
「そうだね、あたしもミケちゃんに手を出すのは、バイト期間が終わってからにしてって、カンナに言っておくよ。バイトが終われば、ミケちゃんが男だってばらしても平気だし、その上で、カンナがミケちゃんをどうするかは、カンナが決めればいい事だから……」
 魅恵は、こくりと頷いた。
「案外、男の子に戻ったミケちゃんの方が、女の子のミケちゃんより良いっていうかもね。考えてみれば、カンナは一応、ノーマルなんだから……」
 晶の言葉に、魅恵はカンナの豊かな身体を、男として抱く光景を、想像してしまう。そんな想像をしている事を、晶は察したのか、軽く釘を刺す。
「――ミケちゃんが、男に戻ってカンナを抱くのは……あたしも見てみたいから、別に構わないんだけど、カンナの前に、あたしを抱いてよね……彼女なんだから」
「あ、うん。それは勿論」
 魅恵は素直に、頷いた。

(カンナの前に、あたしを抱いてよね……か。まさか、あたしが男に抱いてって言うなんて……)
 目の前で、夕食を食べている魅恵を見ながら、晶は思う。意外だなという感慨を、抱きながら。
 女の恋人の場合、初めての相手は、他の相手には譲らないというのが、晶の信条である。晶は所謂、初物好きという奴なのだ。相手が親友のカンナとはいえ、魅恵の男としての初めての相手を、初物好きの晶は、譲る気にはなれなかった。
 初めて男の身体を、自分から抱きたいと思った事に、晶は少し驚いた。無論、それは性的な要求というより、恋人として認識した相手に、自分の事を、深く刻み付けたいという、一種の独占欲的な要求なのだが。
 魅恵に対して、初物好きとしての性質が発現している事自体にも、晶は少し安心していた。心のどこかで、男である魅恵の事を、恋人だと思えないかも知れないという不安を、晶は本音では感じていたのだ。
 初めての相手になりたいという感情は、晶の場合、恋愛対象の相手以外に、感じない。何故なら、晶の初物好きの性質は、過去の恋愛絡みのトラウマを原因としているからである。
 つまり、男としての魅恵の、初めての女になりたいと思っている事自体が、魅恵を恋愛対象……恋人だと思っているという事を意味しているのだ、晶にとっては。
「ミケちゃんは、あたしの恋人なんだね……」
「――何だよ、改まって?」
「ん……何となく、そう思っただけ」
「変なの」
「これからは、ちゃんと料理の練習とか、しようかな……。結婚とかしたら、子供とか出来る訳だし、ちゃんと料理とか出来た方が良いもんね……」
「――本気?」
 魅恵の問いに、晶は頷いてみせる。
「今まで……結婚するとか、子供が出来るとか、考えた事が無かったから、料理なんて出来なくてもいいって思ってたんだけど、ミケちゃんのせいで、状況が変わっちゃったから」
 晶は、魅恵を抱き締める、
「嬉しいな……あたしも、母親になれるんだ」
「晶姉……」
「あ、エッチする時は、ちゃんと半分、女になってくれなきゃ、駄目だからね」
「……分かってるよ」
 魅恵は、少し複雑そうな笑みを浮かべて、食事を続けた。

 ハーベストでのバイトも一週間が過ぎ、八日目に入った。元々器用な魅恵は、既にバイトにも慣れ、ウェイトレスもレジも、ほぼ完璧にこなしていた。
 時々、カンナに更衣室で迫られるのだが、更衣室という場所柄、軽く身体を触り合う程度の行為より、先に進む事も無かった。女性専用車両を使うようにしてからは、痴漢とも無縁であり、魅恵のバイト生活は、順調そのものだったのだ。
 唯一の困り事と言えば、男性客からのナンパである。しつこく携帯電話の番号を聞き出そうとする客や、自分の携帯番号を書いたメモを手渡して来る客、バイトを終えた魅恵を、店外で待ち伏せする客など、一日平均三人程の男性客が、魅恵に何等かのアプローチをしてくるのだ。無論、全て魅恵は断るのだが。
 カンナや他のバイトの娘も、かなりルックスのレベルが高いので、魅恵同様のアプローチを男性客から受けるらしいのだが、皆、当たり前の様に断っていた。
「男との出会い、あるじゃないですか?」
 八日目の勤務時間が終わった後の更衣室で、男と出会う機会が無いと嘆いていたカンナに、魅恵は訊ねてみた。
「ナンパしてくるような軽い男は、パス。それに、仕事中の女を口説くような男なんて、働く女を軽く見てるとしか思えないよ」
 当たり前だと言わんばかりの口調で、カンナは答えた。
「私も仕事中には、ミケちゃんの事、口説かないでしょう?」
 カンナは笑いながら、そう付け足した。確かに、カンナが魅恵に迫って来るのは、仕事の前後や休憩時間だけだった。
「で、今日も口説いてみるけど、これから家に来ない?」
「――遠慮しときます」
 晶はカンナに、バイト期間が終わるまで、魅恵には手を出さない様に言ったのだが、効果は無い。
「晶は今、ゼミの合宿に行ってるから、帰っても会えないんでしょう?」
 魅恵は頷く。晶は一昨日から一週間、大学のゼミ合宿に行っているので、魅恵は暫く、晶と会えないのだ。
「晶がいなくて、欲求不満になってしまいそうな、ミケちゃんの欲望を、優しいお姉さんが満たしてあげようと言ってるのに……つれないなぁ……」
「カンナさんはノーマルなんですから、ちゃんと男の相手を探して下さい!」
「――そのつもりなんだけど、一応……。ちゃんとした出合いが無いのよね……」
 カンナは少し、悔しそうに言った。

          ☆          ☆


 「少年少女ミケ」、DLsiteで発売中!

《宣伝》少年少女ミケ(少女の銀輪)7

 ハーベストに辿り着いた魅恵は、タイムカードを押して、更衣室に向かった。途中、白いコック服姿のスミレとすれ違った魅恵は、軽く挨拶を交わす。
「早いじゃない、ミケちゃん」
「取り敢えず初日なんで、家からの時間計ろうと思って……」
「そうなの……。それにしても、随分と男の子っぽい格好ね」
「あははは、女の子っぽい格好、慣れてないんですよ……俺」
「――俺?」
「あ、いや……私」
 魅恵は慌てて、言い直す。
「ヘアスタイルとか、全体的なイメージは、確かにボーイッシュ系だけど、顔は……南国系の美少女って感じだから、可愛い系のファッションも似合うと思うよ、ミケちゃん」
「そうかな……」
「とりあえず、うちの店の制服姿、楽しみにしてるわ。やっぱり、可愛い女の子は、可愛い格好しないとね!」
「はぁ……」
 この店の制服は、スミレがメイド服姿の女の子が好きだから、メイド服になったのだと、カンナが言っていたのを、魅恵は思い出す。

 更衣室には、誰もいなかった。調理はスミレが担当し、フロアとレジを、二人のウェイトレスが担当するので、あと一人、ウェイトレスが来る筈である。
 五つ並んでいるロッカーの端に、魅恵の名前が書かれたプレートが付いている。魅恵がロッカーを開けると、クリーニングしてある制服のセットが、棚に乗っていた。
 制服を手に取った魅恵は、恥ずかしい程に女の子っぽいというか、可愛い制服だな……と、改めて思う。
(誰か来る前に、着替えた方がいいか……)
 魅恵は早速、制服に着替え始める。ダンガリーシャツとジーンズ、それに靴を脱いで、下着姿になる。ロッカーの扉に付いている鏡には、スリムで均整の取れた、スポーツタイプのシンプルな下着姿の、可愛い女の子が映っていた。
「結構、可愛いな……」
 自分の下着姿に対する率直な感想を、魅恵が呟いた直後、更衣室にカンナが入って来た。
「ミケちゃん、もう来てたんだ!」
 突然のカンナの出現に驚きつつ、自分の下着姿に羞恥心を覚えた魅恵は、ブラウスを取り出そうとしていたバッグで、慌てて身体を隠す。
「あ、お早うございます!」
「――ミケちゃん、女の子同士なんだから、恥ずかしがる事も、隠す事も無いと思うけど……」
 魅恵の行動や表情から、魅恵の心理状態を察したカンナは、そう言いながら苦笑する。
「いや、その……隠してたんじゃなくて、バッグからブラウスとオーバーニーソックスと靴、取り出そうと思っただけで……」
「そうなの? 身体、隠した様に見えたんだけど」
「そんな訳無いじゃないですか、気のせいですよ!」
 魅恵は自分の言葉通り、バッグの中から、ブラウスなどを取り出した。そして身体を隠す為に、魅恵は急いでブラウスを羽織る。
 靴下を脱いで、紺色のオーバーニーソックスに履き替え、同じく紺色のワンピースを、穿く様に着る。下着姿よりはましだとはいえ、スカート姿というのは下半身が心許ないなと、魅恵は思う。
「サッシュ以外の小物は、エプロン着る前に身に着けた方が、楽だよ」
「あ、はい」
 カンナに言われた通り、クロスタイやカフス、カチューシャなどを身に着けた後、フリルだらけのエプロンを、魅恵は装着する。
「着替え終わった?」
「はい」
「ちょっと見せて」
 魅恵はメイド服姿を見せる為に、カンナの方を振り向いた。
「!」
 驚きの余り、思わず魅恵は息を飲む。下着姿のカンナが、いきなり魅恵の視界に、飛び込んで来たからである。
 カンナは先程の魅恵同様、下着姿になっていたのだ。シンプルな下着の魅恵や晶と違い、少し装飾が派手な白い下着を、カンナは身に着けていた。
 魅恵や晶と違うのは、下着のタイプだけでは無い。下着の中の身体……特に胸が、根本的に違っていた。カンナの胸は、グラビアアイドルクラスの、見事な胸なのだ。
 その、大きな胸を揺らしながら、カンナが自分の方に迫って来たので、魅恵は狼狽える。
「カチューシャが曲がってるよ、直してあげる」
 魅恵の目の前まで来たカンナは、手を伸ばし、魅恵の頭の上のカチューシャを直した。カンナの胸が、魅恵の胸に触れる。魅恵は、目のやり場に困る。
 カンナは、魅恵の顔が紅潮し、不自然に胸から目を逸らしている事に気付く。
「そっか……ミケちゃんレズだから、おっぱいとか見ると、照れちゃうんだ」
 自分がカンナの胸を見て、照れているのを言い当てられ、魅恵はリアクションに困る。
「晶に、変わった趣味の事、聞いた?」
「――一応」
「だったら、ミケちゃんが他の女の子とエッチな事しても、別に怒ったりしないどころか、晶は喜ぶって、知ってる訳ね?」
 魅恵は、頷いた。
「だったら……いいよね」
「え?」
 カンナは、魅恵の顎に手を添えて、少し上に傾けると、魅恵にキスした。唇を被せる程度の、軽いキスを。
 魅恵は狼狽しつつも、カンナの身体を押して遠ざけ、唇を離した。
「カンナさん、駄目です!」
「何で? 私ってミケちゃんから見て、魅力無いかな?」
 キスを拒絶されたカンナは、ちょっと不満そうに、魅恵を問い詰めた。
「そんな事無いですけど……」
「じゃあ、いいじゃない? 晶だって、喜ぶんだから」
「それは、あの……後でカンナさんが、後悔する事になるから……」
 後で自分が男だと知ったら、女だと思い込んでいたカンナが、傷付く事になると思ったので、魅恵はカンナの誘いを、断り続ける。
「何で? 別に後悔なんてしないよ。晶の彼女とエッチするのなんて、珍しくも無いんだし」
 普通の人が聞いたら驚く様な事を、カンナは平然と言い切る。
「――それに、もうすぐ仕事だから。カンナさん、まだ着替えて無いし」
「大丈夫よ、あと十五分ちょっとあるし、着替えるの、五分もかからないから」
「でも……」
「何も、最後までしようっていう訳じゃなくて、キスして、身体をちょっとだけ……ね」
 カンナは魅恵の身体を抱き寄せ、少し強引に唇を合わせた。そして、唇を離すと、ブラを上にずらして、大きくて形も良い胸を、露出させる。
 そのまま、右の乳房に魅恵の口元が来るように、カンナは魅恵の頭を抱き寄せた。晶のモノよりも、段違いに大きいカンナの胸に、目を奪われた魅恵は、カンナのなすがままに、ボリュームのある右胸に顔を埋める。
「吸って……」
(いいのかなぁ?)
 少しだけ罪悪感を感じたものの、魅惑的なカンナの胸に、顔を埋めてしまった魅恵は、カンナの乳首に口を付けてしまう。そのまま、軽く何度か舌で舐め、口の中で転がした後、魅恵、乳首を、強く吸いはじめる。
 カンナは軽く呻きつつ、魅恵の右手を左乳房に誘う。愛撫を催促するかの様に、豊かな乳房に魅恵の掌を押し付ける。
 魅恵は右手で、カンナの左胸への愛撫を始める。
(晶のより、柔らかいな……)
 胸が柔らかくて大きいという事は、単に脂肪分が多いというだけなのだが、男の魅恵にとって、やはり大きくて柔らかな胸というものは、それだけで魅力的な存在なのだ。魅恵は次第に、カンナの胸への愛撫に、のめり込んで行く。
 右胸の乳首から唇を離し、胸の谷間を舌で舐めながら唇を左胸に移動させる。そのまま、乳首ごと胸の先端を口に含み、口の中で舐め回す。
 左手は、右胸を揉み始める。重みがあり、手に余る大きさの胸を、力の加減を微妙に変えながら、揉み続ける。乳首を指で挟んだり、捻ったりする。
 カンナの息が、次第に荒くなって来たので、魅恵はカンナの顔を見上げて、様子を確認する。顔を上気させたカンナと目が合い、魅恵は少し、気まずい思いをする。
「ミケちゃん上手い……これ以上続けると、最後までしたくなっちゃいそうだから、この辺でいいよ」
 魅恵は頷いた。少し、残念なような気がしたが、これ以上の事は、しない方がいいなと思い、カンナの胸から、顔と手を離した。
「まだ十分はあるね。今度は、私がしてあげる」
 壁の時計で時間を確認してから、カンナは言った。
「え、いいですよ、俺は……」
「俺って……ミケちゃんってホントに、男の子みたいね」
 少し笑いながら、カンナは魅恵の身体を半回転させ、後ろから抱き締めた。そのまま、右手をエプロンとワンピースの間に、潜り込ませる。ボタンを簡単に外して、ワンピースの中に手を入れたカンナは、ブラをずらして、直に魅恵の左胸を、愛撫し始める。
「ん……まだ、ちょっと硬いかな?」
 魅恵の胸の感触を口にしつつ、ワンピースの裾を捲り上げたカンナの左手は、魅恵の下腹部を軽く撫でた後、あっという間にショーツの中に、潜り込んで来た。かなり、慣れた感じだなと、魅恵が感じる程に、カンナは手際が良い。
「うちの制服、ストッキングじゃないから、こういう事がしやすいのよね」
 カンナは楽しそうに言った。
「カンナさん……こんな事……駄目っ!」
 魅恵の抗議を無視して、カンナは愛撫を楽しみ続ける。右手は魅恵のワンピースの胸を開き、左だけで無く、左右の胸を揉み、乳首を指先で弄ぶ。
 左手の指先は、ショーツの中で秘裂を割り、内壁を撫でる。クリトリスの皮を剥き、優しく刺激する。
 愛撫を受けた魅恵は、顔を上気させ、軽く喘ぎ始めている。
「そうやって感じてる時の顔は、ちゃんと女の子だよね。喋り方とか、男の子っぽいけど……」
「え?」
「――私はレズじゃないから、女の子っぽい子よりも、ミケちゃんみたいにボーイッシュな子の方が、好みなんだ……」
 もう少しで、魅恵は絶頂を迎えそうだったのだが、自分を女の子だと思い込んでるカンナに、自分を愛撫させている罪悪感が、次第に強くなってきてしまった。カンナとの行為を打ち切ろうと、魅恵は決意する。
「カンナさん……もうそろそろ、着替えないと」
「――そうだね」
 カンナは、まだ下着姿だった。開始時間まで五分を切ったので、流石に着替えないとまずいなと思ったカンナは、魅恵を手放した。
 魅恵を自分の方に向かせて、軽く抱き締め、カンナは魅恵と唇を重ねる。舌を入れない、軽いキスである。
「続きは、また今度ね……」
 カンナの言葉に、魅恵は思わず、頷いてしまう。しまったと思いながら、魅恵は服の乱れを直し始める。
 慣れているのだろう、カンナは魅恵の傍らで素早く制服を着終えて、あっという間にメイド服姿になる。
「さーて……お仕事、お仕事!」
 そう言いながら、元気良く更衣室を後にして、フロアの方に向かうカンナの後を、魅恵はついて行く。

 ウェイトレスの仕事は、オーダーなどの作業が電子化されているとはいえ、ハードなものだった。午前十時の開店から、その日の食材が切れるまでという、少し変則的な営業形態をとっているハーベストは、遅くとも午後八時過ぎには閉店するペースで、客が途切れずに訪れる人気店なのである。休憩時間以外は、殆ど身体を休める暇が無い。
 女物の服を着たまま、人前で働く事には、魅恵はすぐに慣れてしまった。正確には、女物を着ている事を恥ずかしがる程の余裕が、無かったというべきだろうか。
 それ程に、ハーベストは流行っていて、仕事が忙しかったのである。
「ハードでしょう? うちのママ、料理だけは上手いから、お客さん多いんだ。ミケちゃんが来てくれなかったら、私……死んでたかも」
 休憩時間中に、カンナが笑いながら言った。
「普段は水曜が定休日なんだけど、駅前通りの商店会の取り決めで、春休み期間中は休みが無いんだ。私は何日か休めるけど、ミケちゃんは四月五日まで、毎日だよね、大丈夫?」
「――何とか」
「頑張ってね。まぁ、うちのバイトが合ってる様なら、新学期からも続けて欲しいくらいなんだけど」
「学校があるから、無理ですよ。新学期が始まったら、色々と忙しくなるだろうし」
「そっか、ミケちゃん高校生だもんね……女子高?」
「共学ですけど……何で?」
「いや……レズの子って、女子高行く子が多いっていうから」
 そういえば、晶も女子高だったなと、魅恵は思う。
「ミケちゃんくらい可愛かったら、男の子にも、もてるんだろうねー」
「そんな……全然、もてませんよ」
 本当は、魅恵は女の子からは告白された事は、余り無いのだが、男子生徒からは、何度も口説かれた事があったのだ。魅恵を女の子だと間違えて口説いた者もいれば、男の子だと分かって口説いた者もいた。無論、全部断ったが。
「そうなの?」
「俺……じゃなくって、私はともかく、カンナさんみたいに魅力的な人が、うちの学校通ってたら、男子にもてたと思いますよ」
 男の子にもてないというのは、嘘だが、カンナが魅力的だというのは、本音である。
「ミケちゃん、結構、口が上手いね。そうやって女の子誉めて、モノにしちゃったり、してるんだ」
「してませんよ! 俺……じゃなくって」
「一人称、無理して私にしなくてもいいよ、ミケちゃんが自分の事、俺っていうの、似合ってるから……。お客さんの前とかでは、困るけどね」
 魅恵は、頷く。
「俺……恋人とか出来たの、晶姉が初めてなんです」
「――まぁ、女の子同士の人は、相手探すの、普通の人より難しいだろうからね。普通の人の上、相手がいた事無い私が言うの、変かもしれないけど……」
 カンナは、魅恵を見詰める。
「ミケちゃんが、ボーイッシュな女の子じゃなくって、女の子みたいに可愛い男の子だったら、良かったのにな……。そしたら、彼氏になって貰うのに」
「え?」
「冗談よ。ミケちゃん女の子だもんね。さっき確認済みだし」
「からかうの止めて下さいよ、カンナさん」
 男の子だったら良かったと言われて、少し魅恵は、気分が良かった。
「ま、彼氏にはなって貰えないけど、その内、ちゃんと相手してね。晶に見せながらでもいいし、晶抜きでもいいから」
「そ、それは……」
「二十年間、恋人無しのお姉さんを、慰めると思って、相手してよ。それに……」
「それに?」
「晶の彼女になった以上、私に抱かれるのは、義務みたいなもんなの。レズでも無い私が、女同士のセックスの気持良さ知っちゃったの、晶のせいなんだから」
「義務……ですか?」
「冗談。本当に嫌なら、無理にとは言わないわよ。だけど、断る時は、上手く断ってね、これでも結構、傷付き易い方なんだから」
 カンナは、冗談めかして言った。
「男に相手にされない上に、レズの女の子にまで相手にされないなんて事になったら、自信が無くなっちゃうもんね……」
 断るのも傷つけるし、断らないのも傷つける事になるなら、自分は一体、どうすればいいんだろうと、魅恵は思う。


          ☆          ☆


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《宣伝》少年少女ミケ(少女の銀輪)6

「晩御飯、好きな物奢ってあげるから、許してよ……」
 ベッドの上で、うずくまっている魅恵の、髪の毛を弄りながら、隣に寝転がっている晶は、甘えるように許しを請っていた。
「俺の処女膜の価値って、晩御飯と同じなのか……」
 まだ、破瓜の痛みが後を引いているせいで、魅恵の気分と機嫌は、最悪だった。
「謝ってるんだから、ひねくれるの止めてよ」
「――だって、今度は俺が男になってする筈だったのに、晶姉ばっか好き勝手にやるんだもん、ズルイよ」
 拗ねた子供の様に、魅恵は頬を膨らませる。
「それは、ほら……バイト終わるまで、ミケちゃんは男に戻れないから、それまではミケちゃんが女の子のままでするのは、仕方ないじゃない」
 優しく頬を撫でながら、晶は魅恵をなだめる。
「――バイトが終わって、俺が男に戻ってから暫くは、男のままするからね。晶姉が女の子の俺を抱いたのと同じ回数、俺が男の身体になって、晶姉を抱くんだから!」
「分かったよ。ちゃんと、あたしが抱いた数、覚えておいてね」
「――とりあえず、今は二回」
「はいはい。じゃ、御飯食べに行こうよ。奢ってあげるから」
 魅恵は頷き、起き上がる。股間の痛みのせいで、かなり動きがぎこちない。
「痛いの?」
「――痛い。これって、後引くの?」
「大丈夫。明日になれば、痛く無くなってるから」
「晶姉も、そうだった?」
「次の日には、残らなかったよ。高一の頃の彼女に、指でされた時だから、ミケちゃんと同じだね」
(四年前か……)
 服を着ながらの、晶の答えを聞いて、魅恵は四年前の晶を思い出してみる。四年前……魅恵が小学六年生だった頃、葛城家の近くで晶と一緒にいるのを見かけた、長い黒髪が印象的な、魅力的な少女の姿が、魅恵の心の中に蘇る。
「ひょっとして、その高一の頃の彼女って、長い黒髪の子?」
 魅恵に問われた晶は、意外そうな顔で頷く。
「家に遊びに来た時とかに、ミケちゃんに見られた事とか、あったな……そういえば」
(手を繋いでたりして、仲が良い友達なんだなって、あの頃は思ってたんだけど……彼女だったんだ、あの子)
 微妙に複雑な気分に、魅恵は陥る。恋人の過去の恋愛や性体験の相手に関する事など、知って良い気分がするタイプの人間では、魅恵は無かった。
(まぁ、でも……相手が男じゃないだけマシか。一応、一般的な意味合いでなら、晶姉って処女な訳だし)
 そう自分に言い聞かせた魅恵は、一応……念の為に、晶に確認してみる。気まずそうに、目線を不自然に逸らしながら。
「晶姉って、その……男相手の経験が無いって意味の処女だと、処女……なんだよね?」
 魅恵の問いに、晶は頷く。
「あの子にされたせいで、処女膜は無いんだけど、男相手の経験が無いって意味なら、処女だよ」
 過去の交際相手とのセックスで、相手の指や疑似ペニスにより、晶は幾度と無く膣を貫かれている。だが、男相手のセックスの経験が無いという意味では、晶は確かに処女である。
「じゃあ、俺が男に戻ったら、晶姉の本当の意味での処女、俺が貰うからね、絶対に……約束だよ!」
「約束するよ、あたしの本当の意味での処女、ミケちゃんが男に戻り次第、あげるって」
 晶の言葉を聞いて、魅恵は嬉しそうに微笑む。
「やっぱり、ミケちゃんも処女の方がいいの?」
 微笑んだ魅恵を見て、そう思ったのだろう。晶は魅恵に尋ねる。
「それは……まぁ、正直言えば、嬉しいけど。でも、本当に晶姉って、男相手の経験無いの?」
「無いよ。男とはセックスどころか、キスも経験無いし……」
「――俺、男だけど……」
「あ、ご免。ミケちゃん以外とは経験無いに、訂正!」
 そう言うと、晶は笑い出した。気まずさを誤魔化す様に、魅恵を抱き締めながら。
 自分が晶に男として認識されていない様な気がして、魅恵は少しだけ、嫌な気分になった。

 翌朝、痛みは完全に消えていた。痛みが残っていたら、バイトに支障をきたすかもしれないと、心配していたので、魅恵は安堵する。
 朝食を終えてシャワーを浴び、バイトに行く準備を整えていた、午前八時五十分頃、魅恵は晶からの電話を受けた。魅恵の痛みが引いたかどうか、心配しての電話である。
 大丈夫だと魅恵が言うと、晶も安心したようだった。晶が心配してくれていた事が、素直に嬉しかったのだが、バイトに行く時間が来たので、他の話題には移らず、魅恵は電話を切った。

 午前九時十分、魅恵は破魔崎駅のホームにいた。坂崎駅までは坂崎線で二十分、ハーベストまでは、駅から五分もかからないので、時間的には余裕である。初日なので、念の為に、少し早めに家を出たのだ。
 服装は、ジーンズにダンガリーシャツ、スニーカーという、殆ど普段通りの格好である。ブラウスやパンプスなどは、背負ったリュック型のバッグの中に、入っているのだ。
 元々、目立つ顔立ちをしている上に、周りは、スーツ姿のサラリーマンが殆どなので、カジュアルな格好の魅恵は、異常に目立つ。不思議と、周りに女性の姿は無い。
 電車がホームに停車したので、魅恵は乗車する。通勤ラッシュの時間は、過ぎているのだが、車内は割と混んでいた。魅恵はドアの端をキープし、取っ手に掴まった。
 そのまま、自動ドアが閉まり、電車は走り出した。魅恵は、窓の外の景色を眺め、時間を潰す事にした。

 次の駅で、客が大量に乗り込んで来て、電車の中は、一気に満員になった。魅恵はドアに身体を押し付けられ、身動きが取れなくなる。
 坂崎駅は終点なので、身動きが取れなくても、降り損う事は無いのだが、魅恵が押し付けられている方のドアは、終点まで開かない。終点まで、この苦しい状態が続くのかと思うと、魅恵は憂鬱になる。
 魅恵の身動きが取れなくなって、二分程が過ぎた頃、魅恵を、更に憂鬱にさせる事態が起った。魅恵の尻を、誰かが撫で回し始めたのだ。
(ち……痴漢!)
 尻を撫で回す誰かの手を掴み、警察に突き出すか、自力でぶっ飛ばすかしようと、決意を固める直前、魅恵の頭の中に、妖シ屋の女主人の言葉が蘇って来る。
「三つ目は……女になってる時は、警察沙汰になるような真似をしない事。警察が動いて、うちの店が調べられるようになったら、困るから」
(そうだ、痴漢を警察に突き出しても、ぶっ飛ばしても、警察沙汰になっちゃう……)
 女の身体になっている時は、警察沙汰になる様な真似は、避けなければならない事を、魅恵は思い出したのだ。
(それに、考えてみれば、警察に訴えたり、被害届を出したりしようにも、身体の性別が変わってしまってる今の俺には、無理かもしれない……。下手したら俺の方が、警察に怪しまれる事になるかもしれないな)
 そんな不安が頭を過り、魅恵は警察沙汰になる程の騒ぎを避ける為、自分の尻を撫でていた誰かの手を払い除け、自分の身体から離しただけで、大きな騒ぎになるような真似は、しない事にした。
(これで、痴漢が収まればいいんだけど……)
 そんな魅恵の期待は、裏切られた。痴漢は魅恵の事を、手をどけるだけで、触っても騒ぎ立てない女の子だと、認識したようなのだ。
 再び尻を触り始めた手を、魅恵は迷わず、手で払い除ける。その後、尻に伸びて来た誰かの手を、魅恵が払い除けるという流れは、三回繰り返されて終わる。
 終わったのは、痴漢が触るのを、諦めたからでは無い。魅恵の身体を触りに来る手が、突然、四本に増えたからである。
 痴漢の手を払い除けていた魅恵の両手は、後ろに回したまま、痴漢の二本の手で、がっしりと掴まれた。魅恵は身体を電車のドアに押し付けられたまま、両手を後ろ手で拘束されてしまったのだ。
 身動きも取れず、手も自由に動かせなくなった魅恵の身体を、魅恵の手を拘束していない二本の手が、這い回り始めた。痴漢は二人いて、各々が片手で魅恵の手を掴み、もう片方の手で、魅恵の身体を撫で回している。
 魅恵は元々、女の子みたいな外見をしている為、男の身体の時も、結構痴漢にあっていた。そういった場合、即座に痴漢を警察に突き出すか、駅のホームで半殺しの目に遭わせるかの二択だったので、軽く触られる以上の被害に、魅恵は遭った事が無かったのだ。
(俺、このまま、男に痴漢され続けるの?)
 魅恵の全身に、悪寒が走った。
(冗談じゃ無い! 逃げないと……)
 ハリウッド映画で、警官に手錠をかけられる直前の犯人のように、背中で両腕を固められた魅恵は、身体をよじって痴漢から逃れようとする。しかし、二人の痴漢に後ろから、身体を使って押さえ込まれ、電車のドアに身体を押し付けられているので、魅恵は身動きが出来ない。
 丁度、二人は魅恵を囲む位置にいるので、電車の他の客からは、魅恵の姿は、見えなくなっている。魅恵が抵抗出来ず、周りからも行為が見えなくなっている事を確信した痴漢達は、遠慮無く魅恵の身体を、触っている。
 右後ろにいる男が、魅恵の下半身を触り、左後ろにいる男が、魅恵が身をよじった際、ドアと魅恵の間に出来た隙間から手を差し入れ、左胸を触っている。
 最初は、尻を撫で回し、割れ目に指を這わせていた手が、次第に下に下がり、太股の間に、指を滑り込ませようとする。魅恵は足を閉じて、侵入させまいとするが、弾力のある太股の肉は、滑り込んで来る指を、迎え入れてしまう。男は手に力を入れ、魅恵の股を割って、手を完全に、魅恵の股間に差し入れる事に、成功する。
 少しの間、太股をさすっていた手は、股間に狙いを変え、デニムの生地と下着越しに、魅恵の陰部の下の辺りを、撫で始める。
 無論、その間にも、左胸は揉まれ続けている。揉みながら、シャツの生地越しに、乳首を探り当て、指で摘んで刺激を加える。
(き、気色悪ぅ……)
 魅恵は、下半身と胸に加えられる刺激が気持ち悪くて、吐きそうになる。男に触られるだけでも気持ち悪いが、見知らぬ他人に触られるのだから、気持ち悪い上に不安でもあるのだ。
 再度、身体に力を入れ、逃れようとしてみるが、身体も腕も、男達に押さえ付けられているので、魅恵は逃れられない。それどころか、逃げようと身体を捻ったせいで、ドアとの間に隙間が出来てしまい、左胸を触っていた、左後ろの痴漢の左手が、自由に移動出来るようになってしまった。
 魅恵は身体をドアに押し付け、隙間を無くそうとするが、腕を後ろに引っ張られてしまい、隙間を無くす事が出来ない。左後ろの痴漢は隙間を利用して、より大胆に、魅恵の身体を触り始めた。
 まず、ダンガリーシャツのボタンを外して、手をシャツの中に、忍び込ませる。そのまま、スポーツタイプのブラの上から、痴漢は左胸を揉み始める。
 比較的生地の厚い、ダンガリーシャツの上から触られた時よりも、愛撫の感覚が、はっきりと魅恵に伝わって来る。不快さと、それ以外の微妙な感覚が混ざり合った、感覚が。
 そのまま十回程、左胸を揉み続けた後、痴漢はブラの下の方を掴み、たくし上げる。ブラは魅恵の両胸の上に、乗る様な形になる。
 痴漢の手が、左胸を直に触り始める。少し硬めだが、程良い大きさの魅恵の乳房を揉んだり、乳首を指で挟んだり、細かく振動させて刺激したりと、好きな様に弄び始める。
 直に触られたせいで、愛撫の刺激は魅恵の脳に、より明確に伝わり始めた為、魅恵の本能は、意志とは逆の生理的な反応を、身体に返す。乳首が起ち、硬くなっていくのが、魅恵自身にも分かる。
(何で……起っちゃうんだよ?)
 魅恵は自分の身体の反応が、恨めしかった。男の身体の時にも、別にエッチな事を考えている訳でも無いのに、無意味に股間が起ってしまう事があった。女の身体も、意志とは無関係に、反応してしまうものなのかなと、魅恵は思う。
 右後ろの痴漢も、魅恵とドアの間に、隙間が出来た事に気付いたのか、太股の間から手を引き抜き、魅恵の左側から、前に手を回して、魅恵の股間を触り始める。
 太股の間から、手を差し込んでいた時は、陰部の下の辺りまでしか、手が届かなかったようなのだが、今は手が届くので、露骨に魅恵の陰部の上を、触っている。
 数秒間、デニムの生地越しに陰部を触っていた痴漢は、ジーンズのファスナーを降ろし始めた。
(そ、それだけは、嫌!)
 見知らぬ他人の男に、陰部を触られる事の嫌悪感は、魅恵の耐えられる限界を超えていた。堪え切れずに、魅恵は声を上げそうになってしまい、大きく息を吸い込む。
「間もなく~終点の~坂崎~坂崎~!」
 突如、電車が終点の坂崎駅に辿り着く事を、社内アナウンスが伝えた。魅恵の後ろの痴漢達が、軽く舌打ちをして、手を引っ込める。
 魅恵は、痴漢達の手が自分から離れた事に、安堵した。自分が声を上げずに済み、警察沙汰を避けられた事にも。
 魅恵は、やっと自由になった両手で、数センチ下げられたファスナーを上げ、ブラとシャツのボタンを、元に戻した。程なく、電車は坂崎駅のホームに滑り込み、魅恵の前のドアが、勢い良く開いた。
 背後からの強烈な圧力で、魅恵は電車の中から押し出された。ホームに出た魅恵は、即座に後ろを振り向き、痴漢の姿を確認しようとしたが、そこには多数のサラリーマン風の男達がいて、誰が痴漢だったのか、全く分からなかった。
「死ねよ、変態!」
 魅恵は、吐き捨てる様に、呟いた。自分が少し汚れた様な、嫌な気分に、魅恵は苛まれる。
「まぁ、晶は気にしないんだろうけど……」
 自分の彼女を、他人に抱かせて楽しむ様な晶の場合、魅恵が痴漢に遭っても、全く気にしないだろう。それどころか、下手すれば喜ぶかもしれないのだ。
 もっとも、彼女の晶が平気でも、魅恵が平気な訳では無い。朝っぱらから痴漢に襲われ、魅恵は最低の気分になってしまっていた。
 そんな魅恵の周囲に、突如、いい匂いが漂って来る。女性が身に纏う匂い……香水の匂いである。
 最初は、いい匂いかなと思ったが、香水の匂いが数種類混じり始めたので、すぐにいい匂いというより、単なる強烈な匂いになってしまった。何だろうと思い、後ろを振り向いた魅恵は、沢山のOL風の女性や、カジュアルな服装の女の子が、歩いている光景を目にする。
「あれ? 女の人……」
 そこで初めて、坂崎線には女性専用車両が三両も用意されていた事を、魅恵は思い出した。ラッシュ時でも、余裕を持って、女性を収容出来るので、殆んどの女性客は、女性専用車両に乗るのが、当たり前だったのである。
「そうだ……俺、女性専用車両に乗れば良かったんだ!」
 身体が女性化しているとはいえ、魅恵の中身は男性なのだ。それ故、女性専用車両に乗ろうという考えが思い浮かばず、魅恵は普通車両に乗り込んでしまった。
「次からは、女性専用車両に乗ろう。そうすれば、痴漢なんかに、遭わずに済むし」
 ほっとしたように呟きつつ、魅恵は改札の方に向かって、歩き出した。もっとも、女性専用車両に乗れば、痴漢に遭わないという考えが、甘かったという事に、魅恵は後で気付くのだが……。


          ☆          ☆


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